Supernova

アメリカの影のSupernovaのレビュー・感想・評価

アメリカの影(1959年製作の映画)
3.6
第一印象、床ツルツルすぎるだろ。

最初の3,40分が長い。必要なプロローグではあるけど、もう少し短く出来たはず。

次男坊かっこいい。というか良い兄弟だなぁ。関係性がリアルすぎて演技してないのかと思ったら本当に演技してなかったらしくてびっくりした。全て即興的演出。すごい。

ルパートも好き。

人種差別の描き方としてかなり斬新な視点だと思う。確かに兄弟によって黒人の血が濃いか、白人の血が濃いかが違うことはあるだろうし、全て先天的かつランダムに遺伝子に決められてしまうものだから変わるだろう。
人は見た目に翻弄されやすい生き物だからこういうことが起こるということも当然考えられる。その中で自然と表出するリアクションや内省的な葛藤を一切装飾することなくありのまま切り抜いたフィルム。

もちろんそう言った部分のすごさは理解した上で映画としては荒削りでのめり込みきれなかったというのが本音。俳優たちの演出力が作品に追いつかなかった感じ。素人同然だから仕方ないっちゃ仕方ない。
『こわれゆく女』が僕の中で素晴らしすぎたがゆえに到底そのレベルに響くものは得られなかった。

それでもすごいものはすごい。これがデビュー作か。



あわせてBlu-rayに収録されてた『カサヴェテスをさがして』も見た。めちゃくちゃ良いドキュメンタリーだった。長年カサヴェテスと付き添ってきたキャストやスタッフへのインタビューからカサヴェテスを引き出す。
ピーター・フォークが日本人の取材記者に対してめちゃくちゃ丁寧にわかりやすくカサヴェテスの凄さを熱弁していて泣きそうになった。絶対に超良い人。
天才とは「雪を夢見ることのできるアフリカ人」
調べてみたらウラジーミル・ナボコフの名言だった。天才というものを何よりも的確に表現していて鳥肌がたった。

皆がカサヴェテスのすごさをものすごい熱を込めて語っていた。これはカサヴェテス好きなら必見。特にジーナとのインタビューなんて鳥肌止まらん。

まだ全作観れてないから絶対に全部見る。
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