『アメリカの影』👥 (1959)
🇺🇸USA 82分 モノクロ
アメリカ・インディーズ映画の父、
ジョン・カサヴェテス監督作品
彼の初監督作品
映画🎥の最後にクレジットされるように、即興的演出によるものらしい
●ストーリー
舞台はニューヨーク、マンハッタン
ヒュー、ベン、レリアは三人兄妹
実の兄妹ながら、長男のヒューは、肌の色は黒く、逆に、ベンとレリアは、白人でも通用するほどに、白い
兄妹の仲はいい
ヒューは売れない歌手、ベンの夢はトランペッター、レリア(レリア・ゴルドニー)は、しっかり者のいい女
ある日レリアは、友人のパーティで、白人青年のトニーと出逢い、意気投合、ロストバージン
レリアは、兄二人をトニーに紹介するが、トニーは、レリアが黒人系だと知り恋が褪めていく
(モノクロ映画🎥なのに、トニーの顔が青ざめて行くのが分かる)
といった、青春群像
●レビュー
当時は、ロケーションで映画🎥が撮影されることが珍しくて、マンハッタンの街並みと青春の人々、黒人、白人が生き生きと、リアルに描写されている
ひとつのマンハッタンのドキュメンタリーなタッチもあって、制作年度を考えると、アメリカ産の「ヌーヴェル・ヴァーグ」みたいな新鮮さと、達成感は確かに存在する
ニューヨークの街のカフェで聞く、ジャズは本場だから、フィット感があり、また、ジャズにアフリカの太鼓の音が重なる音楽は、人種の坩堝(るつぼ)のアメリカならではの、迫力と説得力
また、アフリカの仮面からパンダウンすると、レリアの美しい顔があって、幻想的、更に、メトロポリタン美術館が出てくるので、人類の歩みみたいな壮大なテーマを感じさせる
白人トニーは、モンゴメリー・クリフトみたいなイケ面、ハーフなレリアはモノクロ画面で観ると、まるで、マリア・カラスのような気品の溢れる美貌
だから、美男美女の悲恋なので、「ロミオとジュリエット」、或いは『ウエスト・サイド物語』(1961)みたいな、崇高な哀しみを奥に感じる
人種差別、低予算、オールロケ撮影、自由に撮るという意味では、正に、「アメリカン・ニューシネマ」の先駆けであろう
映画🎥と映画史パズル🧩を
大いに堪能したよ🐱🎵
KBCシネマ🎦 (聖地枠)
シネマ1
2024ー17ー12
●シネマ世界旅行
7🇩🇰デンマーク『聖地には蜘蛛が巣を張る』(2022)➡️【8🇺🇸USA 『アメリカの影』(1959)】➡️9 🇪🇸スペイン 『瞳をとじて』(2023)