のほほんさん

ウルフェンののほほんさんのネタバレレビュー・内容・結末

ウルフェン(1981年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

世界有数の大都会・ニューヨーク。
そのど真ん中で起きた猟奇的な連続殺人事件の被害者には、金属ではない鋭い物で殺害されたということと、その傷口に人間の物ではない毛が付いているという共通点が。

まあタイトルで既に狼が提起されているので狼がやったのね、というのはすぐに分かる訳だけど、そこに隠された真相が気が利いている。


太古から存在している、神に近い存在のウルフェン。彼らが猟場としていた場所に人間達がやってきて狼を虐殺した。
ウルフェンは地下に潜り、そこで彼らが新たな猟場にしたのはブルックリンのような貧民街。そこで病気を抱えていたり、あるいはそもそも社会生活が送れない者を狩ってきていた。
そんなブルックリンを開発することは、彼らの猟場を再び奪うこと。
当時はニューヨークでも凄く発展したところと貧民街とがある混沌とした場所。人間が謳歌しているような場所に、はるか昔からの歴史を持つ存在がある。
クライブ・バーカーの「ミッドナイト・ミートトレイン」もそうだが、この大都市はそんな何かがいそうな妖しさもあるのか。
(今もあるのかな?)


複数の都市ゲリラやテロリスト、あるいは都市に暮らしながらも自然とも共にあるネイティブ・アメリカンの存在が提示された後に満を持して現れるウルフェン。彼らの姿は恐ろしくも優雅で美しい。
まあ普通の狼なんだけど(笑)


自然を蔑ろにする人間に警鐘を鳴らす、今もなお考えさせられるテーマだ。



冒頭の公園での殺害現場での、


「気をつけて」

ドサッ

「…頭に」

とか割とグロいところが散見されてなんだか面白かった