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タルコフスキー・ファイルin「ノスタルジア」のpikaのレビュー・感想・評価

5.0
ドキュメンタリーなので当たり前なことなんだけれど、動いて喋って映画作ってるタルコフスキーを見れる喜びは想像以上だった。

カメラで切り取られた外側やカメラの手前側、作り手の言葉や表情を見れる幸せ。
「映画は時間を切り取る芸術」など映画や芸術に対する考えを語ったり、「撮影は退屈」「この映画の重要なポイントは二つある」など作品や作品作りに対する思いを語ったり、映画を見ればわかることであっても映画に対する哲学をタルコフスキーが言葉にしてくれるという感動があるし、接した人たちから見たタルコフスキーという側面を見れる面白さがある。

アントニオーニ作品や「ノスタルジア」などの脚本家トニーノ・グエッラが何故かインタビュアーのようなことをしていて、姿を見た時は有難がって拝むくらいだったのに親しみやすいというかグッジョブ過ぎて戸惑いましたよ!笑

ロシア語イタリア語英語とスタッフも役者も様々な国から集まった人々が通訳を通して意思疎通していく中で「目を見ればわかる、通訳すら要らない時もあった」と語られるほど言葉を超える意思の共有があったんだと鳥肌が立った。
まるで作品を象徴するかのようであり、やはり「ノスタルジア」は内からも外からもどこから見てもタルコフスキーそのものなんだと身にしみてわかった。全作そうなんだけれども。笑
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