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デッドマン(1995年製作の映画)
3.5
魅惑的な詩《死》の誘い。

心があらわれる叙情的なギターの音色に惹き寄せられて、柔らかく燃ゆる灯火を辿る旅。
鉛が命を奪い去り、肉体と分かたれた魂は遥か大海を静々と渡る。

肉体は衰え、刻一刻と死に近づけども、
数多流れた血に依って浄化された魂は、
在るべき場所へ還ってゆく。

死には詩を。
血で書かれたその詩を携え、
生者は、死人《デッドマン》と成る。

死を恐れることなかれ。
空と海の境界のように、生と死は隣り合わせ。
だからこそ揺らめく地平線が美しいのだ。

死を恐れることなかれ。
越えた境界線は終幕の標ではない。
雲間から差し込む光が示すその先で、
旅の第二幕が始まる。


ジム・ジャームッシュ初体験でしたが、悲哀に満ちた劇伴に心を揺られる良い映画体験でした。
1度目は独特の世界観についていけず断念。翌日観直したところ不思議と馴染んできた不思議な作品。
ジョニー・デップの魅力が光る、詩的で美しい作品でした。