マーくんパパ

身も心ものマーくんパパのレビュー・感想・評価

身も心も(1997年製作の映画)
3.8
身も心も寄せきれない男女2組の妖しい連立方程式。学生時代、大学解体を叫んでいた岡本良介(奥田)は今や大学の助教、その友人関谷善彦(柄本)は火炎瓶投げつけ3年服役「ゴダールは脚本なんて書かない!」と言ってたのに未だ芽の出ないシナリオライター、服役中に恋人綾(かたせ)を良介に取られ今や妻子ある身も別居中の悲しき中年。良介・綾も今では関係冷え切りニューヨークで修復はかる間の留守番を頼まれた善彦、同じく綾の喫茶店留守番を頼まれた原田麗子(永島)がやって来てお互い身の上語るうちにお互いが良介綾夫婦の元恋人だと知る。恋人捨てた後ろめたさから2人をくっ付けようとの魂胆もある引き合わせにハマり関係を持つ善彦&麗子。ニューヨークでもうまくいかず良介置いて帰国した綾は未練のあった善彦と又関係持つようになる。良介も又綾を追って帰って来たところ冷たい綾にマザコン母に縋り元カノ麗子も呼び出す始末…。『突然炎のごとく』のJ .モローのように2人の男に挟まれて心中する気など毛頭ない2人の女たち。
男同士、女同士、綾:善助、綾:良介の終盤会話劇が秀逸。私が出した方程式の解はI番のマザコングズ男、でも1番自分に正直とも言える奥田瑛二。2人の女優と組んずほぐれず役得柄本明は硬派闘士の筈が意外と優柔不断のコレもダメ男。男なしでは生きていけないかたせ梨乃は見切りも早い現実女。ファンの永島瑛子はいい女、いくらでもいい男いるからダメ男たちとの関係断ち切っていい人生歩んでねと応援したい女⁉︎でした。