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火垂るの墓のtotokim888のレビュー・感想・評価

火垂るの墓(1988年製作の映画)
5.0
過去視聴作品…。

火垂るの墓…。
子供の頃…コミック本で読んだのが…最初の出会い。

本を開いて…最初の方のページで…。
包帯でグルグル巻きの人々の描写が…。
『うわっ…!!!!!』って…声をだして…。
慌てて…本を閉じた。

そして…そのまま…時が過ぎた…。

小学生…高学年になって…再び…本を開いた…。小学生…低学年のときには直視できなかった場面も無事通過。心に重しを乗せられたような…読み終わり。

時が流れて…アニメーションとなって姿を現した。本で読んだ時ほど…残酷な描写はなかったように思う。

ただ…『声』の存在が登場してる…。コミック本では感じられなかった…『声』の存在が大きい。子供たちの可愛さ…せつなさ…強さ…弱さ…。すべての感情がリアルに描かれていく…。

視覚だけで訴えていたものが…。視覚・聴覚で訴えてくる…。
白黒の世界から…カラーの世界へ移動する…。

う~ん。どちらの表現の仕方も鬼気迫るものがある。涙なくしては…見れないストーリー。メンタルが絶好調のときしか…見れないかもね。


余談ですが…。
子供の頃から…父の戦争体験を聞かされてきて育つ…。

『殺さな…殺されるんやっ…』 『はじめて…人を殺したときの気持ちがわかるか…』 『怖いんやでっ…怖くて震えるんやでっ…。涙…。』
『死体が浮かぶ川の水を飲むんやでっ…。』『お腹が空きすぎて死体の腕を噛む奴もおった…。』 

『伝令…玉がバンバン打たれてるところに走らされる…。死にに行くようなもんやっ…。 真面目な奴ほど…突っ走していく…死んでいく…。いい奴ばっかり死んでいくから…悔しいんやっ…!!』

テレビから流れる…ニュースのアナウンサーの言葉。
『戦争…我々は被害者であると同時に…加害者でもある…』
そう言った途端…父が怒鳴った…。

『青春を犠牲にして…家族を犠牲にして…。 死に物狂いで…戦ってきて…。 加害者とは…なんやねん…!!! 犯罪者みたいな扱い…すんなっ…!!!』

そう言いながら…強く握った拳が震えていた…。悔し涙が…父の頬を伝う…。
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