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『ビアンカ』に投稿された感想・評価

YT. イタリア版。23-115。カルディナーレとベルモンドの初共演作。調べてみるとベルモンドの父親ポール・ベルモンド(1898-1982)はフランス領アルジェリア生まれの彫刻家だが、その両親(つまりベルモンドの祖父母)はイタリア人(祖父はピエモンテ人で祖母はシチリア人)。カルディナーレがチュニジア生まれのピエ・ノワールだとすれば、ベルモンドの父はアルジェニアのピエ・ノワールということになる。

この作品は、JLGの『勝手にしやがれ』(1960)が世界的なヒットとなった翌年のもの。フランコ・クリスタルディのヴィデス社の映画ではないけれど、上り調子のフランス俳優ベルモンドと売り出したいカルディナーレの共演が話題になればよいということなのだろう。

実際、1961年にはカルディナーレ主演の映画が2本ある。ひとつはクリスタルディのヴィデス社制作でズルリーニ監督による『鞄を持った女』。ここで放浪の芸人アイーダを演じたとすれば、こちらはフィレンツェの娼婦ビアンカ。日本語のタイトルはこの名前から来ているけれど、ビアンカ(白)をその名前にする娼婦というわけだ。

イタリア語の原題は「la Viaccia」。具体的にはアメリゴ/ベルモンドの家族の住んでいる土地の地名のようだ。この言葉は「via」(道)に侮蔑の接尾辞「-accio」が続いた形。フィレンツェの街から泥だらけの田舎道(la viaccia)を行かなければつかない農地ということなのだろう。

物語はその農地と家の相続の問題から始まる。1885年のフィレンツェ郊外の農村で家長が亡くなる。家の財産はすべて、それまで農地を切り盛りしてきたステファノ/ピエトロ・ジェルミに託すという遺言があったにもかかわらず、法律により兄弟で分割することになる。とはいえ、フィレンツェの街で成功した叔父のフェルディナンドは、ステファノの生きている間は農地を相続しても経営はまかせるという。

そこでステファノは、心臓の弱いステフェノを助けるために息子アメリーゴ/ベルモンドをフィレンツェのステフェノの店の手伝いに送る。そこでアメリーゴが出会うのが娼婦のビアンカ/クラウディア。アメリーゴは叔父の店から金をくすねるとビアンカのもとに通い始める。ビアンカのほうも、若くて美男子のアメリーゴにまんざらでもない。

物語の背景にあるのは、19世紀末、相続によって疲弊してゆく農村と、仕事があり娼館が栄える都市との対立。原作の『L'eredità(遺産)』はマルコ・プラテーシ (1842 – 1921) のヴェリズモ小説。ブルジョワ化してゆく都市の腐敗と、ますます生活が厳しくなってゆく農村の悲惨が主題。統一後に変化してゆくイタリア社会のリアルを、1960年の高度経済成長期に響かせようというのが映画の眼目なのだろう。

とはいえ、そのまま悲惨な生活のリアルを描くだけでは映画にならない。だからカルディナーレであり、だからベルモンドなのだ。注目すべきは彼らの衣装。ピエロ・トージが再現した19世紀末の衣装をみるだけでもこの映画には価値がある。しかも、それを着て見せてくれるのがベルモンドとカルディナーレの二人なのだから、これは眼福もの。そして、この二人の未来のない恋を中心に据えて、その背景に時代の変化を置く脚本。なるほど文学と映画の間をみごとにとりもつ作品ということか。

監督のマウロ・ボロンニーニはパゾリーニの脚本で世に出てきた。『狂った夜(La notte brava)』(1959)や『汚れなき抱擁』(1960)などがそれ。後者はマストロヤンニとカルディナーレの共演作。

娼館でのカーニバルのシーンが映画的なクライマックス。そこからラストへは一直線。ちょっと重いけれど、カルディナーレだから許せるし、ベルモンドだから仕方ないかと思わせる。それも映画だ。