マツモトタクシー

斬るのマツモトタクシーのレビュー・感想・評価

斬る(1968年製作の映画)
5.0
以前からずっと観たいと思っていた作品
キリ番にはこれだ☝️と思い観賞



山本周五郎 原作
岡本喜八 監督作品


江戸末期の天保四年(1833年)
空っ風が砂塵を巻き上げる上州の小此木藩に二人の男がふらりと現われた

ひとりはやくざの源太(仲代達矢)
実は二年前に役目の上から親友を斬り武士を棄てた男、兵頭弥源太

もうひとりは、田畑半次郎(高橋悦史)実は百姓に厭気がさし田畑を売って武士になろうとしている男である


血気盛んな青年武士達は腐敗政治は許せるものではなかった
彼等は権勢を誇った溝口を暗殺
これで政治は変わるそう思っていた矢先
ひそかに機会を狙っていた次席家老の鮎沢(神山繁)は私闘と見せかけて七人を斬り藩政を我が物にしようと討手をさしむけたのだった。。

それを知った源太は彼等に自身の過去の過ちの様なことを味合わせない為に手助けしようと動き出す
半次郎は侍になるべく藩側に取り立ててもらうのだった
敵味方に分かれる2人

焚き付けられたのに裏切られた彼等は取り敢えず砦山に籠って策を練るのだったが。。






以下ネタバレ


バディ物、暗殺、籠城、攻防戦、宿場街の遊郭など様々な要素の入った作品

黒澤明監督の「用心棒」を意識しているのかも
こちらは喜八テイストの軽妙痛快娯楽時代劇

侍を辞めた者と侍になりたがる者
組織の軋轢が嫌になり辞めた者と組織へ加わり安定を求める者の悲哀と活躍を描く現代にも通じるテーマ

仲代達矢、高橋悦史の演技は勿論素晴らしいし脇を固める東野栄治郎、岸田森、中村敦夫、星由里子も見事
特に敵役の家老鮎沢の神山繁は秀逸

岡本喜八監督は映画ファンには支持されているけど何故、黒澤明監督のように一般的に評価されないのだろうか。。

重厚で仰々しく迫力満点の黒澤作品
勿論異議は全く無いけどその数々の名作に匹敵する位に素晴らしい作品
喜八監督はもっと評価されていいと思う☺️


モノクロで時代劇なので取っ付きにくいかも知れないが間違い無く大傑作☺️☺️☺️