Mariko

ロード・ジムのMarikoのレビュー・感想・評価

ロード・ジム(1965年製作の映画)
4.3
最初に書いておくけれど「隠れた名作」っていう表現が
こんなにハマる作品もそうそうないかも。
ずっと観たかったけどソフトがなかった今作
ふと気づいて検索したら宅配レンタルにあったので
ようやく観られたんだけど。

『アラビアのロレンス』の3年後のピーター・オトゥール
ジャケットやポスターのイメージで
勝手に海洋モノかと思っていたら
なんと実質『タイのロレンス』だったという。

主人公ジム
航海士として乗っていた船が大嵐にあった時の行動を
社会的に責められて資格を剥奪され
そして何より自らを責め、流浪の涯てにたどり着いたアジアの地で
村人たちと共に闘い、英雄「ロード・ジム」として称えられ、
そして、、、という
いわば彼の贖罪と魂の在りようを描く物語。

60年代のこういう大作はやっぱり見応えがあって、
面白くて一気に引き込まれて観てしまったのだけど、
この東南アジアの奥地に
「あの」アラビアほどのエキゾチシズムと美しさを感じないのは
自分もアジアの一端に住む人間であることとは
おそらく無関係ではなく
例えばイギリス人から観た時にどうだったのか、は興味があるところ。

ピーター・オトゥールの魅力は言うまでもないのだけど、
脇役も国際色豊かな上になかなか豪華。
特にオープニングクレジットでは 
Ichizo itami となっていたので気づかなかったのだけど
作中で現地人として最も活躍するアジア人(日本人にしか見えないが)
がなんか見たことあるなあ と思って、
終わって調べたら、なんと若き伊丹十三!
芸名を変える前の名前が一三だったとのことで
60年代半ばにここに抜擢されるってどういう経緯だったのか。

それにしてもこのレビューの少なさ!18って😱
Mariko

Mariko