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ハリー、見知らぬ友人のMegmiTanakのレビュー・感想・評価

ハリー、見知らぬ友人(2000年製作の映画)
4.0
突如現れた訪問者がある家庭にぐいぐい入り込み生活を壊していく、といった不審者侵入モノはよくあって『淵に立つ』『テオレマ』直近では『聖なる鹿殺し』などがそれに該当する。本作は始めはその系統を行くかと思われたがラストまで観るとどうやらそうでもなさそうだ。深い。いやーよく出来ている。
しかし、その侵入者モノと思って観ても十分楽しめる。ハリーは明らかに奇妙だし、イライラするし、怪しいし。それに、原題通り「世話焼きな友人」のため、都合良く使えることもあるので中々追い出せないフラストレーション。一見普通のいい人、という点がミソ。そして時折見せる目のイヤらしさが絶妙。キャスティングが素晴らしい。
見方を変えて、これをハリー=ミシェルと捉えた時、全てが腑に落ちた。これはミシェルの人生の物語だったのだ。愛する家族を持ち、諦めきれない夢を抱く人には大いに共鳴するはずだ。

フランスでしか評価されていないのが残念だ。
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