子持ちのカイロレン

リオ・ロボの子持ちのカイロレンのレビュー・感想・評価

リオ・ロボ(1970年製作の映画)
3.2
映画の冒頭、南北戦争の真っ只中で両軍の戦いとして描かれるのが金塊を積んだ列車強盗。ここでまず心鷲掴み。ありきたりな騎兵隊の戦いではなく、こういうアクションで戦争を代替させるあたりが凄い。線路の上を走る列車での攻防、木々をなぎ倒しながら列車が停車する迫力、今こういうものをCG使わずに撮れる人がいるだろうか。

正直このシークエンスが凄すぎて、その後王道の西部劇に回収されていくのが少し残念。ジョンウェインと女優陣の掛け合いは楽しいが、あんな美味しい物を食べさせられた後だと、セット撮影じゃ味気なく、まるで別の映画を観ているよう。

それにしても、互いに戦争で殺しあった両軍を掛け声1つで結束させてしまうジョンウェインはやっぱり凄い。
この憎悪を無視したような展開はタランティーノにはどう映っているのか、「ヘイトフルエイト」を観た後だけにすごく気になった。