アリ

ひろしまのアリのレビュー・感想・評価

ひろしま(1953年製作の映画)
3.9
「原爆の子」と同じ手記を元にしていても、かなり異なる印象を残す映画でした。
被爆者を含む広島市民がエキストラとなって再現されたという原爆投下前後のシーンはもちろん迫力があるのですが、前半から強調される、被爆や原爆症の実態が知られず、苦しむひとが「甘えている」「被爆を鼻にかけている」などと言われてしまう状況への憤り、いらだち、悔しさが作品全体を貫いているように思いました。
後半には強烈な皮肉もあって、やはり当事者の実感がある時代にしか出来ない表現があるのではないかと感じます。

現在、デジタルリマスター版のプロジェクトも立ち上げられ、寄付が募られているそうです(各地で行われる上映会を見に行くのも応援になるそうです)。
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