兄弟の盃
予算の都合で暴力描写が控えめだった「ソナチネ」。結果として、すごくスタイリッシュな人間ドラマに仕上がっていて、おかげで個人的ベストタケシ映画。見せない美学を突きつめたような作品だった。本作「BROTHER」では、そんなソナチネでタケシがやりたかったことをとことん叶えている。「アウトレイジ」の前身とも言えるくらい、見応えのあるヤクザ映画。
タイトルの通り、兄弟分の仲間、本当の兄弟、兄弟のような友など、山本(ビートたけし)を主軸に色んな〈Brother〉が登場する。ヤクザ映画なのに、登場人物に同情してしまう。抗争をきっかけに離ればなれとなっていく弟たち。ドラマティックな展開と見事な人物描写に面を食らう。捻りのないストーリーではあるんだけど、非常にらしい映画で大好き。加藤雅也に渡哲也というキャスティングにもワクワクした。
2024-42