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BROTHERのeyeのレビュー・感想・評価

BROTHER(2000年製作の映画)
3.7
" Brother "(2001)

>Fucking Japぐらいわかるよ バカ野郎!

"ソナチネ"に続き 北野監督作品 鑑賞

ヤクザ美学がシンプルにカッコいい映画
"兄弟" という運命共同体に焦点が当たってる

ヤクザの持ちつ持たれつの家族関係から

何かあったら

"身体を張って必ず守る" 

日本では鎌倉時代から続く
"御恩と奉公" のような関係性

この いにしえの考えが 
ハリウッドに上陸した結果

よりスタイリッシュに描かれている

そもそもマフィアのコミュニティにも
同じ考えがあるのかは分からないけれど、、

寺島進 演じる加藤が
ビートたけし演じる山本に対して

「俺はアニキに命賭けてるからよ」

と吐き 日本人街を取り仕切る白瀬の前に
拳銃で頭を撃ち抜くシーンにはゾっとした

普通なら やりすぎとも思えるけれど
後ろに引かない姿勢を男の筋で表している

"指つめ" や "腹切り"

現代の風習に未だにあるのか懐疑的だが
映画では古典的な様相で描かれている

基本は相手の「島」を奪いにいく形から銃で
ひたすら撃ちまくるスタイルは一貫してる

このブラザーも残酷な人殺し映画ではある

・相手に舐められたらお終い
・交渉はしっかりと筋を通す
・やったらやり返す

上記考えが前提になるはずが

この映画は勢力を拡大して行った結果の果てに
相手からは 会話なく 一掃されていく

強い絆の元にいざとなったら仲間の為に
特攻でいくスタイルのはずが、、、

問答無用で全て返り討ちにされていく

山本率いる組のアジトのらせん階段に
切られた仲間の首がそのまま置かれてたり

フィクションとはいえど さすがに引いた、、

アジト内で仲間が惨殺された 大量の死体

「死」

という漢字が死体で形作られていたのは
マフィアからの最強のメッセージに加え

"終わり" のメタファーでもある

踏み込んだアクセルの隣にはブレーキがなく
もはや限界突破していて後半は悲壮感が漂う

山本が皮肉な笑いを浮かべながら

>もう終わりだな みんな死ぬぞ

このセリフに映画の結末が宿っている

相手と戦争状態になった後は
話し合いを設けていくのかと思いきや

問答無用でとにかく殺られる

殺るか 殺られるか じゃなく 一方的に殺られる

ヤクザ社会を捉えるにあたって

「男性から観た場合・女性から観た場合」

双方で印象が全く異なりそう

男性はこの手の映画好きな人も多いけど
女性はどうなんだろうか、、

ちなみに山本の弟役で出演していた
ケン演じる真木蔵人は AKTION 名義で
MCデビューしてる

https://m.youtube.com/watch?v=SvAbsrS8jDY

太平洋戦争を下書きにされた今作は
勢いづいていた当時の日本の特攻を
アメリカで描かれたことに意味があり

そして

山本が始終漂わせる孤独感と寂しさを
残して去っていくラストに拍手を送りたい
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