OASIS

放射能XのOASISのネタバレレビュー・内容・結末

放射能X(1954年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

核実験の放射能の影響で突然変異してしまった虫が人間を襲うという話。

1954年に作られたモンスターパニック映画。
虫嫌いだという人にはオススメ出来ないシロモノ。
その観ているだけでゾワゾワして来る絵面は全身鳥肌注意である。

ニューメキシコ州の荒地を巡回中の警察が、何らかのショック症状で何も話せなくなってしまった少女を確保した事から事件に巻き込まれて行く。
何者かが中々姿を見せない部分や、砂塵の中からヌッと現れるその突如とした出現方法は初代ゴジラを思わせる恐怖感たっぷりの演出だった。
モノクロ映画という部分が、それのテカテカと光る黒い質感を際立たせていてなおさら気持ち悪さが増す。

巣を水浸しにしたり、巣を加熱してみたりと、大きくなっても結局有効な手段は変わらない。
その者達も、結局は図体だけがデカくなっただけであって本能は変わらないままだから「フェイズⅣ」のように哲学的なまでの考えを持たない所がなんだか哀しかった。

原子力によって引き起こされた事態は直ぐに収束する訳もないのでエンディング近くの展開はまぁ納得出来る。
そのあまりにもな風呂敷の畳まなさ加減は「原子力をどう使うかは我々次第なのだ...」という意味深な言葉と共に、あっさりとした幕引きとは反対の根深い問題を提示していた。
OASIS

OASIS