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鍵泥棒のメソッドのRのネタバレレビュー・内容・結末

鍵泥棒のメソッド(2012年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

自宅で鑑賞。

「アフタースクール」の内田けんじ監督が2度目の堺雅人と組んで送るコメディ映画。

やっぱりこの人の撮る作品は緻密で見ていて面白い。

確か劇場で鑑賞した時、まったくこの作品のことを知らない友だちと観たら、面白いと言っていたのでそうなんだろう。

話は端的に言えば売れない役者と裏社会の便利屋の立場が逆転するという入れ替わりもの。

ただ、そこは内田けんじ、演出と話運びで魅せる魅せる。

とにかく、便利屋コンドウを演じる香川照之(「クリーピー 偽りの隣人」)が良い。コワモテから一転して爽やかて真面目な人物に成り替わるわけなんだけどこれがまた香川さんの演技力と相まってそのギャップが一々面白い。

まさにはまり役と言えるだろう。

対する今作における鍵泥棒の堺雅人も「アフタースクール」での飄々としたキャラとは異なり、どこまでもボンクラながら、金を借りたままの元恋人に(他人の金だが)返済したり、仕事のターゲットに情を持って逃がそうとしたりとどこまでも良い人で憎めないキャラを嬉々として演じている。

広末涼子も風変わりなヒロインだが、相変わらずの可愛さで香川さんとのロマンスは微笑ましく見られた。

あと、今作における「恋に落ちる」時の描写!!キューン!キューン!

それまでのフリが効いている分、終盤での活かし方に思わず「上手い!!」と手を叩いてしまったほどバシッと決まっている。

こういうフリの活かし方はさすがだなぁ。

まぁ、正直俺の中で内田けんじ監督のベストは変わらず「アフタースクール」なんだけど(「運命じゃない人」は終盤が個人的に嫌だったので)、それでも万人にお勧めできるコメディ映画の傑作。
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