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恐怖省のkojikojiのレビュー・感想・評価

恐怖省(1944年製作の映画)
3.8
 どなたのレビューでclipし、レンタル注文したのかわからないのですが、これは「掘り出し物」でした。もしかしたら「さらば愛しきサスペンス映画」を、読んで観ることにしたのかもしれません。ここでも面白い作品として取り上げてありました。

1944年イギリス🇬🇧製作ですから、当然ナチスが絡んできます。
フリッツ・ラング傑作選「恐怖省」だそうです。
題名は今となってはあまり良くはないのですが、「傑作選」が出るぐらいの監督さんなんですね。

作品のラインナップを観ると知っているのは「メトロポリス」(未見)ぐらいですが、これはちょっと注目の監督になりそうです。非常に面白い。

#1319
1944年 アメリカ🇺🇸映画フィルム/ノアールスリラー 日本公開は1988年、40年後公開だそうです。どうしてでしょう?
監督はフリッツ・ラング
原作はグレアム・グリーンの「恐怖省」

 舞台は第二次世界大戦中のイギリス。
スティーヴン(レイ・ミランド)が2年ぶりに精神病院を退院するところから始まります。何故精神病院なのかは後でわかります。
 たまたま、ロンドン駅の近くで「母の会」主催の慈善目的のバザーを見に行きます。そこでベレイン夫人に手相占いを見てもらいます。そして夫人は占いの最後にケーキの重さ当てコンテストの答えを教えてくれます。彼は言われた通りの重さを答えて正解し、賞品のケーキを受け取ります。
 しかしこのケーキが、この後彼を事件に巻き込んでいくことになるのです。


 始まりの精神病院退院をどこかひきづったままの状態で、変な組織母の会が絡み、霊媒師が現れ、それにあったはずの殺人時事件が消えたりします。つけ回す謎の男がいて、ナチスのスパイの話もあり、話はなんのことかわからないままドンドン進んでいきます。こんなストーリー展開の中で主人公には恋の相手も登場し、当然のように彼女が事件解明の手助けをします。まさにサスペンスの王道ですね。

主人公スティーヴンを演じるレイ・ミランドはご存知ヒッチコック「ダイヤルMを回せ」でグレース・ケリーを殺そうとしたあの夫です。彼の表情はサスペンスにピッタリだと思いませんか。これは私の先入観かもしれませんが、彼の不安げで、考え込むような表情がサスペンスピッタリで、物語に広がりを与えているようなら気がするのですが。^_^


2023.07.28視聴352
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