茜

ブラッド・バイターの茜のレビュー・感想・評価

ブラッド・バイター(1989年製作の映画)
2.5
蛇に噛まれて蛇男になる話かと思いきや、噛まれた左手が蛇になる!
何て斬新な発想!と最初はワクワクしたんだけど、その面白さを活かしきれない展開にがっかり。
跳ねる要素はめちゃくちゃいっぱいあるのに、テンポが遅く全体的にもっさりしてるせいで残念な印象しか残らない…。

SFXはお馴染みスクリーミング・マッド・ジョージという事で、後半から徐々にお目見えする特殊造形のクオリティは申し分ない。
…はずなんだけども全体的に映像が暗い、というか真っ暗なので何が何だかさっぱり。
映画鑑賞に於いてSFXを重要な楽しみにしてる自分にとっては、もどかしいを通り越して拷問かと思うくらい何も見えない(泣)
蛇の左手が人を襲うシーンも「ご想像にお任せします」のスタンスで視聴者の想像力に委ねすぎている点もマイナス。
そのうえテンポが激悪ときたもんだから、これなら70分くらいに収めて勢い勝負で突っ走る作風にした方がもっと楽しめた気がする。
左手が蛇になるなんてギャグでしかないんだから、真面目ぶらずいっそコメディホラーにしちゃえば良かったのに。

そんな感じで全体的にもどかしく消化不良な一作でしたが、見事にパックリと上下に開く口裂けのSFXには心からときめいたし、ここだけはちゃんと明るい画面で見せてくれる制作陣の良心には素直に感謝したい。
茜