初見時、当然、昭和の真っ只中、本作を見ても、「枯れすすき感」は感じなかった。
でも、平成29年から昭和を眺めると、「枯れすすき感」がビンビンに響いてきた。
特に舞台になっている新宿。
この頃、名画座巡りでよく出歩いた街なみ。
名画座ミラノがあった歌舞伎町。
交番の横から出てくる東口。
当時はちょっと横丁に入ると映画に出てきた安アパートや貧しい路地。
まだ同時代を生き、そこにそれらがあった時には、
「なぜ昭和枯れすすき?」て思ってたのが、
時代を経て、題名がピッタリの映画になってきた。
ただし、映画としては、野村芳太郎=推理ものの輝かしい作品群の中では、、、
正直、歪で、舌足らずである。
この兄弟、事情はあったにせよ、やはり普通ではないし、肉体関係がないだけで、事実上夫婦同然。
兄は妹を心配しているといより嫉妬としか見えない。
秋吉久美子は何を悩んで、何を望んでいるかが分からない。
劇中で秋吉久美子は男に「あばずれ!」て吐かれてたけど【これも昭和の言葉?】
確かにそうとしか見えないし、、、【魅力的ではあるけどね😊】
第一、野村芳太郎作品の真骨頂、リアリティの積み重ねが欠如している。
捜査中に個人的な尾行をしたり、事件そのものの薄っぺらさがあったり、と重みに欠ける話になってしまった。
昭和を感じるには参考になるけど、、