ひでG

昭和枯れすすきのひでGのレビュー・感想・評価

昭和枯れすすき(1975年製作の映画)
3.0
初見時、当然、昭和の真っ只中、本作を見ても、「枯れすすき感」は感じなかった。

でも、平成29年から昭和を眺めると、「枯れすすき感」がビンビンに響いてきた。

特に舞台になっている新宿。
この頃、名画座巡りでよく出歩いた街なみ。

名画座ミラノがあった歌舞伎町。
交番の横から出てくる東口。

当時はちょっと横丁に入ると映画に出てきた安アパートや貧しい路地。

まだ同時代を生き、そこにそれらがあった時には、
「なぜ昭和枯れすすき?」て思ってたのが、

時代を経て、題名がピッタリの映画になってきた。

ただし、映画としては、野村芳太郎=推理ものの輝かしい作品群の中では、、、

正直、歪で、舌足らずである。

この兄弟、事情はあったにせよ、やはり普通ではないし、肉体関係がないだけで、事実上夫婦同然。

兄は妹を心配しているといより嫉妬としか見えない。

秋吉久美子は何を悩んで、何を望んでいるかが分からない。

劇中で秋吉久美子は男に「あばずれ!」て吐かれてたけど【これも昭和の言葉?】
確かにそうとしか見えないし、、、【魅力的ではあるけどね😊】

第一、野村芳太郎作品の真骨頂、リアリティの積み重ねが欠如している。

捜査中に個人的な尾行をしたり、事件そのものの薄っぺらさがあったり、と重みに欠ける話になってしまった。

昭和を感じるには参考になるけど、、
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