アキラナウェイ

回転のアキラナウェイのレビュー・感想・評価

回転(1961年製作の映画)
3.4
古典的ゴシックホラーの傑作と評される本作のDVDは現在プレミア価格らしい。

どれどれ、いくらだろう?
「回転 DVD」で検索したら
出るわ出るわ、DVDの回転ラックが。
違うがな!!

確かにオークションで9,460円の値が。
そんなお宝作品をTSUTAYAで発掘。

ロンドンの富豪に雇われ、彼の甥と姪の家庭教師として古い屋敷に訪れたミス・ギデンズ(デボラ・カー)。そこにはマイルスとフロラという兄妹がメイドと暮らしていた。屋敷で暮らす内、ギデンズは屋敷の中や外で不気味な人影を目撃する—— 。

以前屋敷で働いていた使用人と家庭教師の幽霊ではないかと疑い始めた彼女は、邪悪な霊から子供達を守ろうと奮闘する。

1961年のモノクロ作品ですもの。
ゴシックホラーの雰囲気たっぷり。
広い屋敷が何せ怖い。

窓の外に浮かび上がる男の顔とか、ホントおしっこちびる。

果たして幽霊は本当にいるのか?
はたまたこれはギデンズが見た幻覚か?

結局最後の最後まではっきりはしないけど、その曖昧さも含めて怖い。

恐怖を助長させるのは子役ちゃん達の怪演。時折見せるしたり顔。無邪気な中に見える悪意。兄の方は子供のくせに若干エロい。

近くにいる者と遠くにいる者を同じフレームに映し出す時のショット等、カメラワークが凝っている。

終盤にかけて、狂気が加速していく。
子供達を守ろうとギデンズが必死になればなる程、彼女だけが正気を失っているのでは?と思わせる描写も見事。目を見開いたデボラ・カーの顔が1番怖いかも。

脚本に、かのトルーマン・カポーティの名前も。

個人的にオチがはっきりしている方が好みで、曖昧な余韻がこのスコアにさせてしまったけど、これは傑作の呼び声が高いのも頷ける。