一人旅

空中ぶらんこの一人旅のレビュー・感想・評価

空中ぶらんこ(1956年製作の映画)
4.0
TSUTAYA発掘良品よりレンタル。
キャロル・リード監督作。

マックス・カットーによる1950年発表の小説「The Killing Frost」を名匠:キャロル・リード監督が映画化した作品で、バート・ランカスター&トニー・カーティスが空中ぶらんこでコンビを組むサーカス団員を演じています。

パリを舞台に、かつて花形の飛び手だったものの曲芸中の転落事故が原因で一線を退いていたマイク(バート・ランカスター)のもとに、彼に憧れる飛び手志望の青年:ティノ(トニー・カーティス)が現れ、ティノの才能を認めたマイクは彼とコンビを組んで現役復帰を果たすが、やがてコンビに割って入ってきた野心溢れるヒロイン:ローラ(ジーナ・ロロブリジーダ)を巡りマイクとティノの関係は悪化していき―という展開で、パリのサーカス一座を舞台に男二人&女一人の三角関係の行方を描いた“サーカス+人間ドラマ”となっています。

『地上最大のショウ』(52)や『サーカスの世界』(64)のように華やかなサーカスの世界を舞台に繰り広げられる人間模様を描いた作品で、かつて花形スターだった男の哀愁と再起心や、彼に師事する将来有望な青年の若いエネルギー、二人の男の間を行ったり来たりするヒロインの複雑な女心…と三者三様の思いが交錯する人間ドラマに見入ることができます。また、サーカスシーンも見応え十分な仕上がりとなっていて、コンビの夢である三回転に挑戦するクライマックスではハラハラドキドキさせられますし、役者になる前は実際に空中ぶらんこの花形としてサーカス一座で活躍していたバート・ランカスターは劇中の空中ぶらんこシーンのほぼ総てを代役を立てずに演じています。
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