みおこし

ハリウッドにくちづけのみおこしのレビュー・感想・評価

ハリウッドにくちづけ(1990年製作の映画)
3.6
ジーン・ハックマン主演作コンプリート企画。レイア姫ことあのキャリー・フィッシャーの自伝が元になった作品で、名匠マイク・ニコルズが監督を務めています。

映画の撮影中に女優のスザンヌが病院に緊急搬送される。理由は薬物の過剰摂取で、何とか回復するもののリハビリ施設への入居を余儀なくされてしまう。一方母親のドリスはそんな娘を心配しつつ、自身もまたアルコール依存症の問題を抱えていた…。

役名はさすがに本人の名前ではないものの、キャリー・フィッシャーの立場である娘スザンヌをメリル・ストリープが、デビー・レイノルズの立場である母ドリスをシャーリー・マクレーンが演じるという豪華なキャスティング。ハリウッドを代表する演技派女優2人が問題を抱えた親子役に扮して、会話劇に定評のあるニコルズ監督のもと、とにかく膨大な量のセリフとともにまくしたてる…。もうそれだけで見ごたえたっぷり!
スザンヌもドリスもハリウッド女優としての名声がありながら、心の闇を抱えて生きている女性。特に娘のスザンヌはドラッグにハマり、男性との付き合い方も決して健全ではないダメダメなところがありつつ、どこか憎めないところもあって。彼女の人間味あふれる様子を嬉々として演じるメリル、さすがの演技でした…!一方、娘の管理が行き届いていないダメな母親だけど決して悪い人ではないという難しい役柄をちょっぴり天然風に演じたシャーリー・マクレーンも良かったです。
一見正反対に見えるこの親子ですが、実は共通している部分はたくさんあって、当たり前だけどドリスがいたからこそスザンヌもいるんですよね。切っても切れない親子の絆というか、腐れ縁というか(笑)そんなものを感じた作品でした。実際にキャリー・フィッシャーとデビー・レイノルズの生前のドキュメンタリーを観たことがあるので、あのときの2人を思わず重ねながら観てしまいました。もうお2人も天国にいらっしゃるのが切ない。

前述のジーン・ハックマンはこの親子2人と縁が深い映画監督役で、これまた渋くてカッコいい…!あのいぶし銀な感じ、ますます惚れ直しちゃいます(笑)。他にもリチャード・ドレイファス、アネット・ベニング、オリヴァー・プラット、そしてまだフレッシュな頃のデニス・クエイドなど脇の役者さんたちも有名な人ばかりなので、映画ファンが観ると「あ!!この人も出てるんだ!」とテンションが何度も上がること請け合いです。
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