まーしー

エスターのまーしーのネタバレレビュー・内容・結末

エスター(2009年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ある家族のもとに養子として迎え入れられた9歳の女の子、エスター。
彼女の登場により、家族が離散していく様子を描いたホラー。

エスター恐るべし。
家族をバラバラに引き裂いていく知性と残忍さ、そして自己をも犠牲にする忍耐力には、良くも悪くも舌を巻く。
結果、事故のようにも見える不可解な出来事の数々。
夜遅くの鑑賞ながら睡魔に襲われないほど、エスターの一挙手一投足に惹き込まれた。

そして、ラスト30分で待ち受ける衝撃的な真実。
そのために、実は伏線が用意されていたことに気づかされる。
歯医者への受診を拒否したり、ステーキを細かく刻んだり、首と手首にリボンをしたり……。こうしたエスターの不可思議な部分が、真実を知れば「なるほど」と唸らされる。
また、「伏線だろう」と思わせる見せ方が巧い。しつこくも、くどくない程度に描写されているので、程よい違和感だけが残り、ラストで見事に回収される。

恐怖感を煽る展開と秀逸なシナリオは、熱狂的なファンを生み出すのも納得。
なお、エスターの母親役を演じたヴェラ・ファーミガは、『死霊館』シリーズのロレイン・ウォーレン役で知られる人。私の中では、すっかりホラー映画の人になってしまった。