喜連川風連

エスターの喜連川風連のレビュー・感想・評価

エスター(2009年製作の映画)
4.0
エスターの顔には、取り繕った情報しかない。
目的のために手段を選ばない能面のような顔が頭にこびりつく。

公園、学校、家、あらゆる日常をホラーテイストで描いており、恐怖倍増。

サイコパス人間をただ描くのではなく、9歳のまま成長しないことによる「男女の関係への強い渇望と恨み」
これが行動原理になっている。

愛されたいけど、見た目ゆえに男性から愛されない。
欲求が歪む中で「愛」が彼女を殺人へと駆り立てていく。

家族のちょっとした綻びが、全ての崩壊を生んでいく脚本は圧巻の一言。

ホラー映画のようにカメラが急に寄り、BGMが鳴り響き、エスターがどこかで見ているような視線を常に感じる。

日常の延長線上にある、恐怖が感情を揺さぶる。

遊園地のお化け屋敷を精神異常者の屋敷に変えたらトラウマ施設になりそうだ。

雪深き情景とダニーという名前がシャイニングを思い起こさせてあまりある。
喜連川風連

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