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ローマ法王の休日のunepistのレビュー・感想・評価

ローマ法王の休日(2011年製作の映画)
2.5
望んだわけでもなくローマ法王に選ばれてしまった主人公の戴冠式までの苦悩と葛藤を描いた問題作。

重圧に耐えられなくなった主人公の心理描写が不気味なくらいに静かで逆にリアリティを感じますね。そんなこんなで、見ている側は何を考えているのか推測することしかできない状況が終盤まで続きます。コメディ作品の要素を散りばめながらも、何を笑えばいいのか判らなくなるようなシニカルな作品です。

徹底的に取材されているのでしょう。法王を選ぶためのコンクラーベや、その後の流れなど、知らなかった法王事情は興味深いです。紹介記事ではコメディやハートフル、なんて言葉が使われがちですが、物語の根幹は悲劇なのだと感じました。
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