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海辺のポーリーヌのkuuのレビュー・感想・評価

海辺のポーリーヌ(1983年製作の映画)
3.9
『海辺のポーリーヌ』
原題Pauline a la plage.
製作年1983年。上映時間91分。

エリック・ロメール監督による『喜劇と格言劇』シリーズの第3作。
海辺の別荘で6人の男女が織り成す恋愛模様を、思春期の少女ポーリーヌの目を通して描いた、ベルリン国際映画祭で銀熊賞と国際批評家連盟賞を受賞フレンチ作品。

15歳の少女ポーリーヌは、年の離れた従姉マリオンと一緒にノルマンディの別荘へバカンスにやって来る。
海辺へ出かけた2人は、マリオンの元恋人ピエールと出会う。
ピエールは現在もマリオンへの思いを引きずっていたが、マリオンはピエールの知人であるプレイボーイのアンリに恋をしてしまう。
一方、ポーリーヌは海辺でウィンドサーフィンをしていた少年シルバンと親しくなるが。。。

クエンティン・タランティーノが、以前働いていたレンタルビデオ店の客に勧めていたほどの、捺し?押し?圧し?叔父!あこれはオジやった。
多分、推しかなっの映画作品とのことで再生してみた一本。

🎼夏もそろそろ終わりかと~🎶(伝説の長渕剛の夏祭りで始まりませんが)、夏に近づいた頃、マリオンはいとこのポーリーヌと一緒にノルマンディーの海岸沿いのリゾート地に短期の休暇にやってくる。
彼らは旧友のピエールと、マリオンと関係を持つことになる年上の男性アンリと出会う。。。
愛と欲望についての魅力的な小さな随想の今作品は、ゆっくりとしとって、少しと云えるかもしれへんけど、気にする程ではないにしろ、自らの内的な目的に従ってる。
今作品のユニークなキャラたちは、自然で説得力のある方法で、話したり、嘘をついたり、議論したり、愛し合ったりと描かれてた。
ポーリーヌは、ウィットに富んだ15歳の少女で、物語の中で成長していく。
彼女は子供っぽくて性的な雰囲気を漂わせているのが特徴かな。
彼女は大人たちのおかしな行動を冷静に見てたが、10代の海水浴客シルバン(シモン・ドゥ・ラ・ブロス)と出会い、親密になっていく。
ポーリーンは、大人たちの嫉妬や気負いを乗り越え、この無秩序なバカンスのグループの中で、微妙な方法でこれがまた支配的な人物になっていく。
ロメールが脚本・監督を務めたこの小さな愛の喜劇で、彼が風刺の対象としたのはマリオン(アリエル・ドンバスル)だと思う。
愚かな結婚から立ち直ったマリオンは、世間知らずの年上の従妹を装うのが趣味で、ポーリーヌをひどく見下してる。
マリオンは、愛や自分自身の内面について大言壮語しながら、無意味な社交界で些細な求愛のゲームをしているインチキな人間だと、すぐに自分を裏切ってしまう。
『私は愛を求めてる』とこの偉そうな男は云う。
マリオンがアンリ(フェオドール・アトキン)に出会ってすぐに、彼女が彼に熱を上げていることは明らかで、彼女のかつての恋人ピエール(パスカル・グレゴリー)は、マリオンとアンリの営みが激化する中、ずっと追いかけている。
映画の中心は、自由奔放なアンリと甘いもの好きのロゼット、そしてシルバンが参加する海での戯れである。
シルヴァンは、マリオンとポーリーヌが日帰りでモン・サン=ミシェルに行ってしまったので、年配のカップルと一緒に海で水浴びをしている。
マリオンの嫉妬を避けるために、アンリはロゼットを寝取ろうとしていたのは自分ではなくシルヴァンだと云うが、これが大きな諍いになる。
愛と性欲についての繊細な考察において、プロットは重要じゃない。
今作品は魅力的なアンサンブル作品であり、そのキャラはずっと心に残っている。
膨大な量の会話、個人的な関係についての延々とした考察、ほんで行動の微妙な違いがこの作品の構成要素となっていました。
また、
メチャ知的で、
メチャ気取ってて、
メチャ浮気性で、
メチャクチャ長ったらしいが、これが魅力的と感じるなら嵌まること間違いないけど、反対なら。。。
まぁとてもフランス的な作品でしたし、個人的には何か粋になったような気分をさせてくれた作品でした。
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