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海辺のポーリーヌのmoneのレビュー・感想・評価

海辺のポーリーヌ(1983年製作の映画)
4.6
ジャックドゥミに触発されて初エリックロメール作品鑑賞。

ビフォアシリーズや坂本裕二作品などなど、私が大好きな恋愛映画の大元に辿り着いてしまった感じが否めない。見るべくして見た作品とも言うべきか。

やはり自分なりの恋愛や人生観についての哲学を持っている人達の群像劇は本当に見ていて飽きない。
若いポーリーヌが一番良識あって聡明だけど、それはまだ本当の愛を経験していないから?
マリオンは理想主義で情熱的なタイプ。恋に盲目的なマリオンに対して、ピエールは現実主義で自己中心的。恋愛に限らず、とにかく自分が傷つきたくないタイプだろうけど、ピエールとマリオンはお似合いのカップルに見える。でも理想主義的なマリオンは「悪い」男アンリに夢中になってしまう。アンリはひたすら狡い。

特に印象的だったのはマリオン役のアリエル・ドンバールが画面越しにでも光って見えるほどの美しさ。ミューズという言葉がこれほど似合う人もいない。

とりあえずこの作品の素晴らしさを表現できない己のボキャブラリーの貧弱さに失望したので、言葉探しも兼ねて蓮見先生のロメールインタビューは読む。でもこのロメールはじめヌーヴェルヴァーグの名作たちに対して、あえて言葉で全てを知った気になるのも違うような…どれだけ時間がかかるか分からないが、ゴダールやシャブロルも「見る」。

色々書いたけど、紫陽花が綺麗な季節にこの作品のロメールに出会えて本当に幸せだ。
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