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海辺のポーリーヌのshuのレビュー・感想・評価

海辺のポーリーヌ(1983年製作の映画)
3.8
海辺のポーリーヌ

バカンス映画には名作が多い。
今作もストーリーとしてはとてもシンプルかつ下世話なのだけど、ポーリーヌの表情がいい。

未熟さと聡明さが入り混じったまっすぐな瞳。

大人たちは皆、一際若いポーリーヌを未熟な存在、守るべき存在、物事をよく理解していない存在として扱うが、時にポーリーヌの言葉の方が物事の本質を突いていたりする。
ポーリーヌに言わせれば、「率直でない」大人たちの方がよく分からない存在。

自分が傷ついたことよりも、相手が嘘や作り話、(思いやりゆえだったとしても)打算的に動いたことに対して違和感を感じる。

そんなポーリーヌが最後につく些細な優しい嘘。
その時の、まっすぐでありながらも大人っぽい表情がとても印象的。

そして、お互い信じたい方を信じる、というのは非常に示唆に富んだ選択。
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