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海辺のポーリーヌのkojikojiのレビュー・感想・評価

海辺のポーリーヌ(1983年製作の映画)
3.5
このジャケ写がなんだかいい。夏の終わり、去りゆく季節。少女は大人になろうとしている。
エリック・ロメール監督作品鑑賞2作目。

15歳の少女ポーリーヌ(アマンダ・ラングレ)は、従姉のマリオンと一緒にノルマンディの別荘へバカンスにやって来た。
海辺へ出かけた2人は、マリオンの元恋人ピエールと出会う。
ピエールは今もマリオンへの思いを引きずっている。ところがマリオンはピエールの知人であるプレイボーイのアンリに恋をしてしまう。
一方、ポーリーヌは海辺でウィンドサーフィンをしていた少年シルバンと親しくなるが……。

マリオンはアンリに恋してる。
アンリはマリオンと一夜を共にするが、実は興味はない。ただの浮気男だった。
ピエールはまだマリオンに恋してる。
マリオンにアンリを紹介したのはこのピエールなのだが、簡単に「トンビにあぶらげ」なのだ。
主人公ポーリーヌはマリオンとピエールが結ばれることを望んでいるが、マリオンはポーリーヌこそピエールに相応しいと思っているようだ。
そんな時、ポーリーヌの前に同世代のシルバンが現れ、自然と二人は仲良くなる。

こんな恋愛模様なのだが、読んだだけではよくわからないだろう。わかる必要もない。
映画を見れば、この微妙な人間関係は簡単に理解できるから。それだけの映画だから。

夏の終わりの少し寂しくなった避暑地の感じがよく出ていて、懐かしい気分に浸れる。しかもポーリーヌの世代の頃の自分を思い出す。
残念なのはシルバはいいのだが、後の二人の男が全く良くない。アンリは小狡い感じが出ていて役に合っているから、まあ許せるとして、ピエールはもう少しまともなカッコイイ俳優を選んで欲しかった。ここは難点だった。

アマンダ・ラングレイが15歳というすごく危うい年代をうまく演じていて、非常に良かった。大人ではないが、子供でもない。ほんとに人生の一瞬の花火のような、微妙な思い出がギュッと詰め込まれる貴重な年代だ。そこに焦点を当てたのが、この作品の一番の魅力だろう。
ポーリーヌは恋愛をどう捉えているのか、恋愛観についてポーリーヌが語るシーンは非常に興味深かった。

#1460 2023年462本目
1983年 フランス🇫🇷映画
監督:エリック・ロメール
製作:マルガレート・メネゴス
脚本:エリック・ロメール
撮影:ネストール・アルメンドロス
編集:セシル・ドキュジス
音楽:ジャン=ルイ・バレロ
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