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海辺のポーリーヌのirtkkのレビュー・感想・評価

海辺のポーリーヌ(1983年製作の映画)
4.5
2015.06.06@日仏学院
深田晃司監督ティーチイン
ロメールの映画を初めて見たのはどの作品だったか忘れてしまったけど、まるでスナップ写真のようだと感じたことは覚えている。画面に映し出されるエロ(慣習や人との距離感)が自分の生きてきた世界と全く違っていて、あぁこれがフランスか、と憧れもしたし、だいぶ打ちのめされた。今では色々観たのでだいぶ慣れてはきたけど。
監督は「現代的」と表現していたけど、つまりはあたかも現実を切り取った感じに作ってるってことでしょうか。作られてるように感じさせないように撮ることでしょうか。スナップ写真的と感じるのはリアリティーと現代にも通用する格好良さがあること。褒め言葉。映画が生きている。
「構成がしっかりしているから俳優は説明的な演技をしないですむ」というような主旨をことをお話しされていた。なるほどです。
それからハッピーエンドの描き方について。「本人の努力とは関係ない、偶然性に委ねられている」との主旨をお話しされていたけど、そう言えばそうだな。それがロメール映画のさらっとした感じにつながるのでしょうか。見終わった時、自分が生きる世界へのまなざしにキラキラがプラスされる感覚。それはたちまち消えてしまうのだけど。ロメール映画がやっぱり好きです。
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