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銀のエンゼルのakayukiのレビュー・感想・評価

銀のエンゼル(2004年製作の映画)
3.0
お客は皆が顔馴染みで「こんばんは」と挨拶する店員さん。ダンスをする若者に店のガラスをミラー代わりに店前で踊ることを容認しているコンビニ。地域の交流の場となっている田舎のコンビニっていいなぁ。
コンビニでの人間模様がおかしくも温かく描かれています。北海道では「おにぎり温めますか?」って聞かれるんですよね。温めてもらったおにぎりを北海道の空の下で食べるのは間違いなく美味しいでしょうね。

コンビニオーナーの主人公が妻の入院を機にこれまで無関心だった娘と向き合おうとするストーリー。娘が真剣に絵の勉強をしてたことすら知らなかった父。コンビニのオーナーを頼まれて何となくやってきたけれど、以前農家をやっていた土地が手放せずにいる。何もかも中途半端、波風立てずルール通りに生きてきた人生。
でも後悔する位なら世間のルールなんて破ってしまったらいい。ああしちゃいけない、こうしちゃいけないが多い世の中、少し心が軽くなります。
ラストは主人公を演じた小日向文世さんの笑顔が清々しい。

監督は「水曜どうでしょう」でお馴染みの鈴井貴之さん。演出が時々ギャグっぽいのと、身内だけが楽しめる笑いを入れているのはマイナスかな。あの奇抜なキャラは引いちゃう人が多いのでは…この作品には合わないなと。
西島秀俊さんが謎の多いコンビニ夜勤スタッフとして出演、何かと名言を残すキャラクターです。彼についての謎ももう少し明かしてほしかったところ。
大泉洋さんがナチュラルに配送の兄ちゃん演じていたのが良かったです。
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