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銀のエンゼルのはのレビュー・感想・評価

銀のエンゼル(2004年製作の映画)
2.0
映画自体は小日向文世が出演してる作品にありそうな、ちょっとしたことがきっかけで人生見つめなおす系のマイルドな内容で何の後味も残らないんだけど、オープニングがピンポイントで刺さる。

午前四時くらいの朝でも夜でもない時間帯の情景で、街灯も点いてるけどほんのり朝日の気配もする感じ。一日が始まってる人もいるし終わりかけの人もいる感じ。コンビニの看板。いろんなことが曖昧で世界が止まって自分だけが動いているような感覚になる感じ。なんともいえないこの空気感の再現度が高い。というかおれの感覚とおんなじ。

おまけに劇中歌が2000年前後の下北/渋谷系インディーギターロックチューン(ゴーイングアンダーグラウンドでメジャーだけど)で、この手の曲をこの時間に聴いて悶々としてたモラトリアムの感覚を思い出して甘酸っぱい気持ちになる。

それで思い出したけど、2000年前後のこの界隈のインディーギターロックバンドってメチャクチャいて、youtube もないしネットを活用することなんてできないから、ライブハウスで CD-R を手売りしてて(HILINE とかで委託販売とかもあったけど一部)、結果一部でしか流通しなかった名盤がかなりあるはず。この感じ、70's ディープソウルとか 70's パンクが 7inch で人知れず名盤が埋もれてたのと同じな気がする。てことは、10年後とかにレアグルーヴとしてこのころの CD-R が掘られたりするんじゃないかな。それはそれでおもしろいな。
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