らんらん

清水港の名物男 遠州森の石松のらんらんのレビュー・感想・評価

4.0
前半は森の石松が金比羅参りに旅立つまで、中盤で讃岐の遊郭での出会い、終盤は石松の最期をクライマックスにという構成

金比羅参りを命じられた石松、酒も喧嘩も賭博も禁じられた中で女だけは良いという
しかしめっかちな外見からモテない石松は乗り気ではない
仲間たちは讃岐女は情にあつい、やくざが好き、目を切られてドモが治ったんなら女に惚れたら目が開くぜなどと囃し立て、女に惚れて帰るのを土産話に旅立つのであった

東千代之介が旅の中出会う渡世人で出てくるけど、印象度では薄い
クレジットではトメ、まだまだ主演もやっていた頃だろうにあまりにもあんまりな気がしました、なんだろスターではあるけど役者ではないみたいな残念さ、さらに輝きも薄いし、、、

主役に中村錦之助、ヒロインに丘さとみ、山形勲もいるし「森の石松鬼より怖い」にかなり近いんだけど、この作品の方が前なのね
確かにこっちのほうはストレート寄り、後作はそれを踏まえての変化球という見方もできますね

中村錦之助のよく通る声が印象的、ヤクザの義理人情のお話というよりは純粋なロマンスもの、バカで抜けてるんだけどそれだけに正直で誠実、ヒロインの出番はない少ないものの確かに通じ合ったみたいな運命みたいなのがあって、それだけに「おれぁ死なないよ」が響いてきました
ヒロインの丘さとみの讃岐訛り?のとにかく語尾が「〜じょ」ってのが凄くかわいくて、方言萌えみたいな感じでした

それでもまあ普通に面白かったなー程度で終わるところをラストのあのシーン、石松の両目が開眼して終わる、あそこで軽くショックが、、、なるほど、そう来たかと、上手いですねー、まさに目が覚めたって感じでした
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