Tatsu

パニック・ルームのTatsuのレビュー・感想・評価

パニック・ルーム(2002年製作の映画)
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『セブン』や『ゲーム』の上におきたい、何度見ても恐るべき完璧な光の映画。室内照明の達成の一つで、これ以降似たようなことをやろうとした映画(ジョー・ライトのヒッチコックかぶれ映画とか)は多々あれ、ここまでには達しない。「少し暗すぎる」というセリフから始まる攻防。電球の明かり、青い炎、懐中電灯の光、割れるランプ、銃弾、レーザーの緑の光線。光により反撃し、光により助けを求め、光により気配に気づく。銃口の熱し方も含め、全編に漂う蒸し暑さと水や炎の生々しい質感を捉える、ヌルッと動くカメラも含め、色気がある映画。雷鳴で戻り、警察隊の明かりに照らされるウィテカーの終幕まで、一貫したテクスチャーとモチーフを貫いた傑作。
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