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刺青一代のhorahukiのレビュー・感想・評価

刺青一代(1965年製作の映画)
3.7
記録です。

鈴木清順監督作。組に裏切られて命を狙われることになったヤクザとその弟の逃避行。高橋英樹さん若い!!言われたら面影あるけど、見てる時全然気づかなかった😂序盤から構図含めた場の力強さを優先して動的な直線感をほぼほぼ無視してしまう場面の繋ぎ方がほんとサイコーで、だからこそあのクライマックスが花開くのだろうし、『殺しの烙印』が生まれるのでしょうね。やり口が改めてジャーロ的だなって思った。真っ赤な靴の撮り方なんてまさにそのものだし。弟くんが画家?志望らしく、でも兄貴を守るために殺人を犯してしまう→兄貴が身代わりになるから弟くんは画家を目指せ的な自己犠牲の兄弟愛も泣けるのだけど、普段はモジモジしてる弟くんがお世話になってる先の奥様にいきなり「服を脱いでください」って交渉しだすの流石にぶっ飛びすぎてて笑うし、純粋な探究としての「描きたい」ではなくて思いっきりシモいお気持ちなのも素晴らしい!😂その割に普段はゴリゴリな兄貴は好きな相手に何もできない奥手さん。性と漢は相反するんだなー。まあ兄貴も弟も色々と事情があるからなんだけど。落下とともに動き出す水車、水の中での仲間、水を流れてくる下駄、誘う風呂等々、進行にクリティカルな事柄は水であることを徹底し、その水に血が浮かぶ予兆を経てからの血への完全移行っていう流れが好き。青の状態では基本的に関係性構築へと向かうポジティブさであったものがミックスを経て反転することでそのアンビバレントが強調される。物語の導入からその発想は徹底されているし、だからこそ悲しさが上乗せされるし、ラストの意図も際立っている。クライマックスの真っ赤な世界は本当に綺麗でテンション上がったし、色を違えた襖(扉)越えは『赤死病の仮面』のようだった。男性性不能なジジイから渡される刀とかジャーロ的にも厨二病的にもワクワク感が半端ないし、やっぱり鈴木清順監督好き!改めて私は厨二病だなってことを実感しました😂


書き殴ってるだけなので、コメント等スルーしてください🙏
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