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人も歩けばの3104のレビュー・感想・評価

人も歩けば(1960年製作の映画)
3.9
『貸間あり』や『幕末太陽傳』等を思わせるドタバタ風喜劇。ナレーションベースのオープニングのテンポの良さや洒脱さ、いいところで挿まれる格言、フランキー堺が逃げたり巻き込まれたりするところなど共通項も多し。
だが現在評価されている前記2作品と違い、今作は未DVD化なのはなんとも惜しい。

基本的には快調(時に調子が良すぎて暴走気味)なコメディだが、時おり時節批判やそれぞれの人物に「屈折」を背負わせるあたりはこれまた“出来のいい部類の川島作品”ならではの味わい。
そしてまさかのラストに驚いたが、結果的に「ドラマー・フランキー堺」も観られたのでそれも含めてあの着地の仕方でよかったのではと思う。個々のキャストは魅力と言及したくなる点が多いが、藤木悠の「とぼけ」と沢村貞子の「底意地悪さ」はなるほどならではで、あとは純な役柄の小林千登勢がとにかくかわいい。
なぜか妙に「犬映画」だったりする。
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