April01

ファンタスティック Mr.FOXのApril01のレビュー・感想・評価

ファンタスティック Mr.FOX(2009年製作の映画)
3.9
原作はロアルド・ダールの同名小説。
画の構図が絶妙で、とにかく全ての場面が美しい。
ストップ・モーション特有の細かな演出には独特の味わいがあり、パペットでありながら、その表情は生き生きとして実写に劣らない出来栄え。
小道具や背景も緻密に作りこまれ、アニメーションゆえに立体作品ではあるけれど、絵画を鑑賞しているような平面的な美しさを一貫して感じる。
ブラックユーモアを交えたシュールな会話は童話原作と思えない大人向けの面白さがある。

裏にラットがはい回る汚い場所の表現として、Chinese restaurantと言ってるところを、あえて安食堂と字幕にしてるのは、配慮かなとも思うけれど、配慮になってるのかどうか微妙でちょっと笑う。

普通は褒めるところだと思うけれど、自分はちょっと声を担当してるジョージ・クルーニーの顔が浮かびすぎて、オーシャンズの空気が纏われてしまい、主人公Mr.フォックス独自のキャラが潰されてしまったのが残念。
顔の浮かばない声優さんの方が良かったな。だってMr.フォックスはジョージ・クルーニーじゃないし。逆を言えば、クルーニーとバレバレな時点で、クルーニー、申し訳ないけれど、あんまり😅な自分としてはマイナス要素になってしまう。好きな人は大絶賛かも。それは好みなので仕方ない。

メリル・ストリープは声にそれほど癖がないし、今回気づいたけれど、この方やっぱり名優だと思った!だってキツネになりきっててメリルだと気づかせない演技してたってことだから。
他の人たちは誰が声優か後から知ったので幸いだけど、唯一ラットのウィレム・デフォーはわかった。でも逆に演技と声が合っていて全然違和感なく、わかってても邪魔にならないキャラなので良し。
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