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ギャンブラーのHKのレビュー・感想・評価

ギャンブラー(1971年製作の映画)
4.1
冒頭、雨の中、橋の上でベイティ演じるマッケイブはタバコに火を点けるのだが、それを見て仰天したのがスタンリー・キューブリックで、どうして火が点くと分かったんだ?と興奮気味にアルトマンに電話して来たという。アルトマンとしては、なかなか火が点かなくても問題なし、どころか火が点かなくても別にいいと思っていたかも知れない。でも一発で点いたのだ。それをフィルムに収めたのがヴィルモス・ジグモンド・・・と言いたいところだが、この撮影時、彼はたまたまおらずアルトマンがキャメラを回した。ところでアルトマンが、あるいはこれを観てジグモンドを起用したのでは?と思うのが『夏の子供たち』(65)で、この映画は米国製のインディペンデント映画なんだが、どこから見ても欧州映画の趣。とはいえ内容は、ビーチ・パーティものを歪に描いた、そのジャンルに対するカウンターのようなもので、それはまるで古きウエスタンに対する本作のようなのだ。本国ではカルト・クラシックである『夏の子供たち』は、こちらでは一度もソフト化されたことがない。
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