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ギャンブラーのleylaのレビュー・感想・評価

ギャンブラー(1971年製作の映画)
4.0
アルトマン監督の描くヒーロー不在の西部劇。人間ドラマです。色彩が渋くてカッコいい。撮影監督はヴィルモス・スィグモンド氏。失敗するとフィルムごとパーになる技術を使っているとのことです、デビュー作(たぶん)なのに。

ある町で宿場を建て、ひと儲けをたくらむ賭博師の話。虚勢を張ってるわりにダメダメな主人公をウォーレン・ベイティが演じる。実生活でも付き合っていたジュリー・クリスティが、ベイティとは逆に頭のキレるヒロイン。対比の人間描写がうまい。

曲の使い方もシビれました。レナード・コーエンの曲が男を物語り、絶妙のタイミングで入ってきて味わい深い。

最初は散漫な感じでイマイチ入り込めなかったのに、どんどん情けなくなる主人公に、気づけば最後はどっぷりハマっていました。

目玉焼きを早食いするジュリー・クリスティとウィスキーに生卵を入れて丸呑みするベィティの食事のシーンがたまらない。

ラストシーンは、ニセ物か?と思えるぐらい美しく振りしきる雪。解説版を観たら本物の雪だそう。完璧に惨めなラスト!
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