茜

ザ・グリードの茜のレビュー・感想・評価

ザ・グリード(1998年製作の映画)
3.8
「90分で3000人 喰って、喰って、喰いまくれ!」←このキャッチコピー好き。
3000人の乗客を乗せた超豪華客船を舞台に軟体モンスターと戦うパニックホラー。
願わくばテレビ版の吹替で観たかったんだけど残念ながら叶わず…それでも十分面白いジェットコースターみたいな映画でした。

テンポの良さとキャラ設定の良さ、登場人物に有能が多いお陰でパニック物ながらイライラする場面も少なくストレスフリーで楽しめるのが魅力。
キャラ設定上それぞれに信頼関係もクソもないので、下手に情をかけることなく見捨てる場面ではあっさり見捨てて逃げるという潔さも好感触。
主人公とヒロインも好感しかない魅力的なキャラで、彼らの戦いと脱出劇にハラハラドキドキしながら応援していればあっという間に終幕。
まさに「お次はなんだ?」を象徴するような終わり方もワクワクするし、鑑賞後は何度でも乗りたくなるアトラクションみたいな余韻が残る。

合間に挟み込まれるくすっと笑える小ネタも面白くて、特に傭兵ボスとボケ担当にして最強キャラ・パントゥーチのやり取りが最高。
「餌を与えよう」のシーンから「自分を撃つのに使いな」つって銃を渡すとこのくだり好き過ぎる。
細かいツッコミどころも満載で、装弾数1000発のガトリングガンや気密室で火を焚いてる光景とかも見てて笑っちゃうんだけど、この吹っ切れた非現実さもそれはそれで楽しい。

軽快なテンポとスリル・程よいギャグと適度なグロ・〆は思いっきり豪快に!という絶妙な配分も申し分ない。
「タイタニック」と公開時期がバッティングした事もあってか本国では大コケしちゃったみたいですが、日本では今もなお絶大な支持を得ている名作。
DVDは基本2万~3万円台というプレミアついちゃってるし、こういう純粋なパニック映画が少ない今こそ観れる機会が限られているのが本当勿体なさすぎる。
茜