ぱりぱり

クラッシュのぱりぱりのレビュー・感想・評価

クラッシュ(2004年製作の映画)
4.0
名作だと思う
これまで私が見たレイシズムをテーマにした映画のなかで一番響いた映画
レイシズムって特殊な問題だと思ってきたけど、嫉妬とか、他人と分かり合えないことの辛さとか、誰でも身に覚えのある感情が根源にある問題だったんだて気づかされた
もちろん歴史との繋がりも深い問題だけど、もっともっと普遍的な問題

人ではなく人種の枠でしか人を見ることができないのは相手だけじゃなくて、自分自身についてもそうである場合がある。例えば、それは人種に限らずとも、人を肩書きでしか判断できず、自分自身も肩書きで評価して蔑むことしかできないのと同じ。

そんな理不尽な怒り方ほとんどの人はしないでしょって思うところも結構あったけど、多分それは国柄もあるのかな
自分がなにか酷い目にあったときに、自分にとって大切な人が同じくらい傷ついてなかったりすると怒る、ていうのはあんまり見ないかも?
日本だと仕方ないよねって自分を納得させたりすることが多そうだけど、で、ある意味それが大人な対応な気はするんだけど、傷ついてるのにそれを頑張って受け入れようとするのは不健康だし、他人とは分かり合えないことを受け入れてしまってる悲しさみたいなのはあるかもしれない

この映画をみて改めて思ったのは、差別がいけないていうのはもちろんそうなんだけど、人種に対する偏見とか差別をなくそう!ていうよくあるスローガンはかえって危険な気がした。道徳的にいけないっていうふうに処理してしまうことの危うさを感じる。もっと人間に共通する感情に目を向けないと

群像劇にハマりつつあるかもしれない