ねこじた

クラッシュのねこじたのレビュー・感想・評価

クラッシュ(2004年製作の映画)
4.5
オープニングで、脚本の素晴らしさを感じる。
卓越した緻密さで描かれる人間と、差別の描写は冒頭から容赦ない。
現実に蔓延るだろう様々な場面でのエグい人種差別の模様。
目を背けたくなるような群像劇が繰り広げられ、精神的負荷がかかり続ける。これは気持ちに余裕がある時に観ないと軽く病むレベル。起こったら嫌だなと思う展開の上を行く負の連鎖ドラマ…、ほんと途中ヤバかった。
主人公はなんと10数人。誰もが主役であり孤独で。
当人が知らぬ間に関わるはずが無いだろう人間同士が交差していく模様は、出逢いの仕組みを俯瞰目線で垣間見ることが出来る映画ならではの作り方。映画好きの琴線を擽る。
しかも、撮り方、カメラワークも、綺麗なんだよね、なんか。

一見、痛烈なまでに人種差別の残酷さを表現した作品でありながら、誰もが持つ人間の「愛されたい」という承認欲求を、深く強く誠実に表現した作品。

冬が苦手で、映画で観る雪って、現実よりも冷たく感じて、いつも「冷たそ…寒そ…いやや〜。」ってなるんやけど、初めて映画の中の雪に温度を感じたわ。
どんだけ、胸熱やねん(笑)

いつも楽しいことより嫌なことのが多いけど、なんか色々頑張れそう。
ねこじた

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