大麦こむぎ

クラッシュの大麦こむぎのレビュー・感想・評価

クラッシュ(2004年製作の映画)
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群像劇が好き。ここでこの人と出会うの?なんて新たな展開で生まれる感情にわくわくするから。だからこそ群像劇ってコメディが多いんだと思う。
だけど今作はシリアス群像劇だ。ここでこの人と出会うの?がマイナスの要素として使われる。善人として見えていた人、悪人として見えていた人、それぞれが物語が進んでいくことによって真逆の要素が見えてくる。今までのわたしが好きだった群像劇の要素は無いけれど、新たな群像劇としての面白さを知れた作品になった。

映画内で人種差別があまりにも多くて目を背けたくもなるんだけど、だからこそなのか登場人物の名前をほとんど覚えることが出来なかった。黒人、でも白人、でもなくちゃんとそれぞれに名前があるはずなのに、極端に名前を呼ぶ描写が少なかったと思う。名前を呼ぶってそれだけでひとつのアイデンティティなんだよな、と思ったり。