こっふん

クラッシュのこっふんのネタバレレビュー・内容・結末

クラッシュ(2004年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

2024年 102本目

・いや〜これはいい作品に出会った。
・強烈に差別問題を体験させられた。本作は主にアメリカ国内の人種差別問題を扱っているが、日本、なんなら自分の周りでも、偏見だったり、凝り固まった価値観っていうのは根強く残り続けているため、自分ごととして考えさせられた。
・マイケル・ペーニャ演じるダニエルは見た目で悪人のような扱いを受けていたが、実際先入観で人を判断してしまうことってあるな。ダニエルと娘の場面がめちゃくちゃいい。
・マット・ディロン演じる警官のライアンが黒人に対して嫌悪感を抱いているのは、少数民族を優遇する政策により、父親が散々な目に遭ったことが原因だった。特定の人を守ることで、別の誰かがその皺寄せを受けるのは違うような気がする。ただ、少数民族にはこれまで長い間虐げられてきた歴史がある。考えていると自分ではもうわけが分からなくなってくる。本当に平等って難しい。
・妻へのライアンの不適切な検査に対し、キャメロンは我慢することが正しいと考え、その場は穏便に済ます。自分もあの場面は耐えることが最善だと共感してしまったことにめちゃくちゃ胸糞が悪くなった。
・ラスト、アンソニーがアジア人を助ける場面にはグッとくる。ただ相棒のピーターは警官のトムに射殺されたことを思い出すと、この後起こることを想像して感情がぐちゃぐちゃになる。
・寸前で最悪の事態を避けてくれる作品だと思っていたのに。結局黒人が不幸に遭うのか。あとトムだけ救いがなさすぎる。複雑な気持ちにさせられる。
・空砲、めちゃくちゃシビれた。あれはずるいな。
・点と点が繋がっていく感じが最高に気持ちいい。一本の作品にそれぞれの人生が詰め込まれていて、めちゃくちゃ満足感が高い。やっぱり自分は群像劇が大好き。
・一筋縄ではいかない不条理さが本当に最高。誰が悪いのか、誰も責める気になれない、どうしようもない、と心がめちゃくちゃにされる感じがたまらない。
・絶対にまた観る。人生で何度も観ることになると思う。傑作。
こっふん

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