ひねくれはちゅう類

クラッシュのひねくれはちゅう類のレビュー・感想・評価

クラッシュ(2004年製作の映画)
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あらすじ
2020ぼく「なんかこのクラッシュって映画おもしろそうだなぁ。借りよ」

2015ぼく「なんかこのクラッシュって映画おもしろそうだなぁ。借りよ」

2010ぼく「なんかこのクラッシュって映画おもしろそうだなぁ。借りよ」

2005ぼく「なんかこのクラッシュって映画おもしろそうだなぁ。借りよ」


……健忘症か!このままで行くと5年後も見ることになるから、どうせなら内容を忘れて見たいなぁ。残念ながら見てる間に完全に思い出したよ。

ストーリーというかジャンルを敢えて言うならば、唯一無二のストーリーで唯一無二のジャンル「クラッシュ」としか言えない。それくらい鑑賞中に不思議な感覚になる。

悪人がいないとか愛に溢れる映画とかそういう感想を書きたくなるのはわかる。監督もそう言ってるし。

差別や偏見はよくないというメッセージが込められた映画だと言いたい気持ちもわかる。まあそれが随所にあるし。

複雑なストーリーをまとめあげた監督の脚本力を誉める気持ちもわかる。アカデミー賞とるだけのことはある(ただし、初見でこれを理解はけっこうきつい。登場人物多すぎだし、唯一知ってる役者のサンドラ・ブロックは実はちょい役。そりゃねーよ)。

が、この映画を人に勧めるなら、そこではないと言いたい。

なんというか、見たあとに少しだけ良い人間になれた気がする。人として成長できた気がする。
たぶん、普段自分のことを立派な人間だと思ってない人ほどそういう感想を抱くんじゃないかな?
感想をネタバレ込みで伝えたいと言えば伝えたいのだが、心に大切にしまっておきたいと言えばそうでもある。
そうなんだ。この映画のすごいとこは心に大切な何かが生まれるところにあると思う。忘れておいて何だが、でもそれは心がこの映画を求めているからなのかもしれない。
そして、ぼくと同じ感想を持った人は映画の持つ力を驚きと共にすごいと驚嘆するんじゃないかな?映画ってすごいよ。
素直にそう思う。
明日から誰かにきっと優しくできる。それをこの映画に感謝したい。


ただ、寝て起きればきっとそんなことは忘れて、道行く女性をいやらしい目で見たり、人の不幸のニュースをながめてはにやにやしたり、すげーえっろいAVの無料サンプルをはしごしながらまた日々を過ごしていくダメ人間に戻るのは別の話。