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ビタースウィートのmのレビュー・感想・評価

ビタースウィート(2002年製作の映画)
3.5
青春映画の隠れた名作。
どれだけ足掻いて復讐すれば、人生に勝てるのか。

いや、重過ぎでしょ笑
ドン引きするほど重くてなんか逆に笑えてしまう笑
ビタースウィートっていう邦題考えた方、的を得ているように見えるけど、ビター9割くらいよ。残り一割のスウィートはファッションとかに割り当てられるくらいなだけよ笑

17歳のカティ(アンナ・マリア・ミューエさん)と同じく17歳のシュテフィ(カロリーネ・ヘルフルトさん)は悪友。
ある日、シュテフィは父親の浮気を知る。ショックを受け、その浮気相手への復讐を思い付く。そんなストーリー。

似たような映画を挙げるとしたら『ヴァージン・スーサイズ』かな。
『ヴァージン・スーサイズ』よりは具体的な重苦しさを描いてくれているから分かり易く、またラストも少しのあたたかさが感じられる。

親と子についてよく考えることがある。
私は、もう不安定な子供という年齢ではなくなったから親の気持ちも分からなくない。子供が生まれたからってすぐには親になれないし、四苦八苦することもある。
けど、親が子に与える影響というのは計り知れない。
親はすぐには親になれないが、子供は生まれた瞬間から子供なんだ。ある種、親の所有物であることに変わりは無いと思う。
親もひとつの肉体であり個体である。親が子のすべてではない。
けど、この考えは私が多感な時期をくぐり抜けたわけだから言える話。十代は親がすべての決定権を持っていた気がする。反発しながら。

今作のカティとシュテフィの家庭環境は最悪で、2人はそんな地獄を持つ者同士だからこそ仲良くなったのかもしれないなぁ、なんて思う。
煙草、ポルノ、ドラッグ、酒、どこかに逃げたくて仕方がないふたりをしっかりと描いている今作。

子供では無くなった年齢で今作を観る意義として、今作の2人が育つような家庭環境は作ってはいけないということのように思えた。

ラスト、若干、今作を観た時自分が病んでいたからカティの言葉が尚更重くて苦しくなった笑
それでもカティのような友達を持ったシュテフィは幸せ者だと思うから、カティが道を踏み外しそうになったらシュテフィ、助けてあげて欲しい。

ストーリー : ★★★☆☆
映像 : ★★★★☆
設定 : ★★☆☆☆
キャスト: ★★★★☆(カティ、シュテフィ共に可愛かった)
メッセージ性 : ★★★☆☆
感情移入・共感 : ☆☆☆☆☆
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