mimitakoyaki

容疑者Xの献身のmimitakoyakiのレビュー・感想・評価

容疑者Xの献身(2008年製作の映画)
3.7
息子がこのシリーズの新作が面白かったと言って、旧作を見てたので一緒に見ました。
このドラマも当時流行ってた記憶はありますが全く見てなかったし、劇場版も見てないので初めてでしたが、面白かったです。

はじめは物理学者の湯川が数式とか物理の知識を駆使して難事件を解決するんかなーと思ってけど、そこまでではなくて、湯川が論理的な思考で事件を解いていくというくらいの感じで、正直、福山雅治の存在感が堤真一の圧倒的な演技の前に薄く感じてしまいました。

堤真一をあちこちで見てた気がするのですが、「海街diary」と「地獄でなぜ悪い」と「always3丁目の夕日」しか見てませんでした。
今回は、孤独な天才数学者の石神の役で、華のある湯川とは全く対照的に、信じられるのは数学だけで、誰からも相手にされずうらぶれていて、目が虚ろで背中も丸く全く覇気がない暗い男で、いつもの堤真一のイメージと全く違っていました。

事件の全貌がわかってくると、石神の孤独と不器用さに切なさが溢れてきて、これまでの抑えた演技はこの最後のシーンのためにあったんだと思わせるような素晴らしい演技に魅了されました。

孤独で生きる希望も持てなかった石神だけど、湯川は友達だと思ってくれてたし、数学の美しさや奥深さに共感や理解もしてくれていて、そういう存在もそばにいたのに気付かずにいたのも、なんだかもどかしい。
でも、だからこそ、唯一の光があまりにも温かく優しく感じ、石神の心を照らしたんでしょうね。

とにかく堤真一が本当に素晴らしかったです。

31
mimitakoyaki

mimitakoyaki