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容疑者Xの献身のtetのネタバレレビュー・内容・結末

容疑者Xの献身(2008年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

普段のガリレオは変人湯川のキャラが適度にコミカルさを生み出し、重過ぎないストーリー展開をしている。それに比べると、今回はダークで重い印象。湯川が山で苦しんだり悔しそうにしたりするシーンなど、普段見れない湯川が見れて良かった。
そして、堤真一の演技はもう半端なく良かった。かなり感情移入してしまった。親の介護で大学院を辞め、そして、冴えない教師をしているって話だけで、彼が自殺を考えてしまったのもわかる気がしてしまう。

石神が花岡を助けたのは歪んだ恋愛感情によるもので、助けた見返りに過度な束縛を求めている。そして、エスカレートした石神はストーカーになっていく、、、と思わせておきながら実は花岡にストーカー被害者というシチュエーションを作ったことで、警察に嘘をつかずにありのままを話せるよう手助けしていた。このどんでん返しが良かった。また、遺体をすり替えるため、そして自分が警察の追及に負けないため、本当に人を殺していたのも衝撃。献身ってそういうことかと。そこまでするのかと。自分に生きる気力を与えてくれた花岡に全てを賭して身を捧げた、歪んでるけど深い愛の物語。
決してハッピーエンドじゃなく、すっきりしない終わり方ではあったけど、人を愛することの尊さが描かれている気がした。
湯川vs石神。湯川は試合には勝ったけど、勝負には負けた感じかなー。
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