snowwhite

容疑者Xの献身のsnowwhiteのレビュー・感想・評価

容疑者Xの献身(2008年製作の映画)
4.3
ガリレオシリーズ1作目にして最高傑作!だと思います。

ドラマが面白くて映画化の場合、ドラマに比べて残念な事ありますがこれは凄く面白いです!それもそのはず、原作が東野圭吾の直木賞受賞作。ストーリーが良くできてます。





(以下ネタバレあります。)
全てに絶望して死を選ぼうとしている堤真一演じる男。首を吊ろうとした時にお隣から凄い物音が。耳を澄まして聞いてみると何やら大変な事が起こっている様子。お隣に確認するが大丈夫とのこと。しかし男は気になってしょうがない。

実はお隣の親子は越してきたばかりだが、男は女を以前から知っていた。松雪泰子演じる女はお弁当屋さんで働きながら娘を育てるシングルマザー。お弁当を買う度に明るく声をかけてくれて男の癒しだった。

娘の父が母に復縁を迫って何度も押し掛けて来てて、母に暴力を振るおうとしたのを殺してしまったのだ。娘をかばう為、母は自分が自首するからと娘に言い聞かせて娘の痕跡を消そうとしていた。

大丈夫と言われても気になった男は壁越しに親子の会話を聞いて全てを察し隣に駆けつける。

殺人現場を隠蔽中の母の制止も聞かず男は部屋に上がり込む。自分に任せなさい。あなた達はアリバイを作りに行って!

男は死体を遺棄するがやがて死体は発見される。元妻が疑われるがアリバイがあるのでOK。男は殺された男とは何も関係がないので疑われない…筈だった。

湯川先生により堤真一と松雪泰子が追い詰められていくのだが、その合間に堤真一の過去の絶望した日々や松雪泰子との出会いとか色々な思いが描かれてて苦しみや辛さや頑張りが共感出来るのがいいです。そもそもこの事件誰も悪くない。悪いのは寧ろ元夫。だからと言って殺していい訳は無いのだけど、ある意味正当防衛な未成年者の犯行。なのでそれを庇おうとした母親や母親を庇おうとした男も憎めない。

あの状態ならそのまま警察に自首しても娘は罪に問われなかったような気もしたが…。

堤真一の自己犠牲が半端ない。段々操作が松雪母に及んでくると自らが殺しましたと自供すらしてしまう。松雪母はそれでは申し訳ないと自首しようとするが娘の事を考えなさいと堤はそれも止める。 松雪母は堤に申し訳ないと思いながらも娘の為に黙っていることとするが辛くてたまらない。堤だけでなく松雪母もいい人なのが救われる。

しかしとうとう松雪母はこれ以上堤に罪を被せられなくなって泣きながら自白する。このシーン泣けました!松雪泰子さん本当にいい演技でした。廊下に座り込んだ姿が目に焼き付いてます。叫ぶような声が耳に残ってます。

シリーズ最高傑作。大好きな映画です。
snowwhite

snowwhite